正義の教室|30人の幼児の命と自分の娘の命、どちらを選ぶのが正解?

タイトル(本)

「正義の教室」著者:飲茶

 

概要

2010年ごろNHKで放送されて有名になったマイケル・サンデル教授の「ハーバード白熱教室」。学生と対話形式で正解のない問いに対して議論していく授業風景が印象的でした。議論の内容には、「殺人に正義はあるか」「命に値段はつけられるのか」「お金で買えるもの買えないもの」などがあります。この本はその授業風景とよく似ています。正義について、高校の授業で教師が生徒と対話形式で議論していきます。この本では自分が考える正義が何かが分かります。また、ベンサム・ミル・ソクラテス・プラトン・ニーチェ・カントといった哲学者の考え方が実例をあげて説明されているので、高校で倫理の授業科目を取っていた人は当時この本が欲しかったと思える1冊です。最後が衝撃的な終わり方でした・・・

 

ポイント

「人間が持つ3種類の『正義の判断基準』、それは『平等、自由、宗教』の3つだ」

「本当にこの3つだけなのか? そう疑問に思う人もいるだろう。だが、少し視野を広げて、世界レベルで考えてみてほしい。実際のところ世界を見渡せば、『平等』を尊重する国、『自由』を尊重する国、『宗教』を尊重する国の3種類があって、それぞれが自国の正義を訴えて、いがみ合っていることに気がつくはずだ」

 

確かに『平等』は共産主義・社会主義の国、『自由』は自由主義の国、『宗教』は自分の国の伝統的な価値観がある国と考えて、今ある国に置き換えれば簡単にイメージがつく。それぞれの国の正義をぶつけて、自分の国の正義が正しいと主張するから争いになるのだと考えました。

 

(1)「平等の正義」を実現するには → 功利主義(幸福を重視せよ!)

(2)「自由の正義」を実現するには → 自由主義(自由を重視せよ!)

(3)「宗教の正義」を実現するには → 直観主義(道徳を重視せよ!)

 

この3つで言えば、自分の考え方は日本人は(3)「宗教の正義」ではないかと考える。ただし、この本で紹介されている3人の女子高生の例で考えると、個人では(1)~(3)どれもありえそうなので、そうした場合に日本人が(3)「宗教の正義」と考えるのはおかしいのではないかと思ってきた。頭が混乱してきましたが、人それぞれに正義があり、自分の正義を押し付けるのはおかしいということは理解しました。うまくできたストーリーです。

 

目次

正義の教室

正義の教室

  • 作者:飲茶
  • 発売日: 2019/06/20
  • メディア: Kindle版
 

プロローグ ある男の選択

第1章 倫理的な彼女たち

第2章 3種の正義「平等、自由、宗教」

第3章 平等の正義「功利主義」

第4章 幸福は客観的に計算できるのか?——功利主義の問題点

第5章 自由の正義「自由主義」

第6章 格差を広げ、弱者を排除してもいいのか?——自由主義の問題点

第7章 宗教の正義「直観主義」

第8章 人は正義を証明できるのか?——直観主義の問題点

第9章 正義の終焉「ポスト構造主義」

エピローグ 正義の決断

 

関連書籍

「これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学」著者:マイケルサンデル

「ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業」著者:マイケルサンデル

マイケル・サンデル教授の講義内容や、東大での特別授業内容が分かる本になります。