完全残業ゼロ|ブラック企業のスーパー社畜の働き方改革

タイトル(本)

「完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか」著者:米村歩,上原梓

 

概要

働き方改革という言葉が流行っていますが、その中でよく言われているのが残業を減らそうです。色々な会社で残業を減らす取り組みをしていますが、自分たちの仕事を見直さず、仕事のやり方を変えずに、無理やり個人の残業を減らす努力をしているところが多いのではないでしょうか。このやり方では社員は不幸だし、いつか歪みが出ます。

 

著者のアクシア社長の米村さんは、血尿ごときで病院にはいかないスーパー社畜だったそうです。大学卒業後に入社した中堅のシステム会社では、定時になるとタイムカードを切らされる3ヶ月間の課題が不適切で膨大な新入社員研修を得て、残業や徹夜に特に疑問を抱かない社畜魂を得てしまったようです。配属後は1ヶ月200~300時間の残業は当たり前、36時間連続勤務もこなしていきます。この会社では、過労で同僚がバタバタ倒れたり、心の病になったり、10人に1人が病院送りにされるとの噂までありました。その後、2年で最初の会社を退社し、フリーランスのITエンジニアになりましたが、多重下請・偽装請負のえじきになり、またもや200時間残業することになりました。そんな中で株式会社アクシアを立ち上げましたが、社畜だった者は無意識に社畜を求めるようで、社員に毎月200~250時間の残業をさせてしまうブラック企業になっていました。そんな中、アクシア唯一のWEBデザインのスペシャリストの女性社員が、あまりの長時間労働で心身の限界を感じ、退職希望を提出したことをきっかけに、180度方針転換をしてホワイト企業に生まれ変わります。

 

この本では、社長の米村さんが社員を前に、「明日から残業は一切禁止にします」と宣言してからの4年半の試行錯誤の日々、そして第2回ホワイト企業アワード受賞するまでの全軌跡が書かれてます。ホワイト企業アワードとは、「社員の幸せと働きがい、社会への貢献を大切にしている企業」と定義し、次世代に残すべき企業を表彰するというものです。主催者側も、残業を減らせる企業は存在しても、残業ゼロに成功した企業があるという発想がなかったとのことです。ちなみに残業ゼロにした結果、空いた時間で社員が自主的に勉強、残業ゼロということで以前IT業界でバリバリ働いていた優秀な女性従業員が急増、優秀な人事を確保しやすくなったとのことです。働き方改革で残業を減らしたい・働き方を見直したい経営者・人事総務部・管理職の方々に大変参考になる本だと思います。

 

個人的には経営者が腹をくくるという勇気が足りなかったという発想に至ったのがすごいと思いました。残業を減らすと、労働時間が短くなる分、売上が落ちてしまうのではないかということは誰もが思いつくかもしれませんが、必要不可欠な社員が退職することにより売上に影響が出るという発想に至る人は限られているのはないかと思います。

 

個人的な考えをいうと、残業を減らすために、社員ひとりひとりが個人の無駄な作業の見直しや業務改善、チームリーダーがチームの無駄な作業の見直しや業務改善していくのも大切だと思いますが、経営者が強い意志でトップダウンで指示し、年1回・半期1回・月1回ではなく、週1回といった短いサイクルで状況をチェックし、改善していくのが効果がでやすいと考えます(PDCAサイクルを短くする方が効果的なのはよく言われています)。

 

目次

完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか

完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか

  • 作者: 米村歩,上原梓
  • 出版社/メーカー: プチ・レトル
  • 発売日: 2017/04/25
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第1章 社畜の魂百まで?

第2章 まさに劇薬!残業ゼロの薬効とは!?

社員インタビュー1

第3章 あなたの会社でもできる!残業ゼロへの4つのステップ

第4章 ホワイト企業の向こう側へ

社員インタビュー2

 

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